おむすびころりん 棚からぼた餅・・・
おむすびころりん
むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんはとても働き者で、毎日山へ芝刈りに行っていました。
ある日のこと、おじいさんがお昼ご飯におむすびを食べようとすると、手からつるりと滑り落ちてしまいました。おむすびは坂をコロコロと転がり、そのまま穴の中へ入ってしまいました。
「やれやれ、もったいないことをした」
おじいさんがそう思っていると、穴の中から何やら歌声が聞こえてきました。
「おむすびころりん、すっとんとん」 「ねずみがちゅう、すっとんとん」
おじいさんは不思議に思って、穴をのぞいてみました。すると、そこにはたくさんのねずみがいて、おじいさんのおむすびを囲んで楽しそうに歌っていたのです。
ねずみたちは、おむすびをくれたお礼にと、おじいさんを穴の中へ招き入れました。穴の中にはごちそうがたくさん並んでいて、ねずみたちは陽気に踊っていました。
ねずみの親方はおじいさんに尋ねました。
「おじいさん、大判と小判、どちらがよろしいですか?」
おじいさんは欲張らずに言いました。
「わしは年寄りじゃから、そんなにたくさんの宝はいらない。少しばかりいただければ十分じゃ。」
するとねずみたちは、大判と小判を山ほど出してくれました。おじいさんは、ねずみたちにお礼を言って家へ帰りました。
おじいさんが宝物を持ち帰ると、おばあさんはびっくり仰天。おじいさんから話を聞いて、大変喜びました。
さて、この話を聞いた隣の意地悪じいさんがいました。意地悪じいさんは、自分も宝物が欲しいと思い、おむすびを持って山へ出かけました。
わざとおむすびを穴に落とすと、ねずみたちの歌声が聞こえてきました。意地悪じいさんは、ねずみたちに招かれると、欲張ってたくさんのごちそうを食べました。
そして、ねずみの親方が大判と小判のどちらが良いか尋ねると、意地悪じいさんは言いました。
「そりゃあ、大判に決まっているだろう!」
するとねずみたちは、真っ黒な大きなヘビを出してきました。意地悪じいさんはびっくりして逃げ出しましたが、ヘビに追いかけられて大変な目に遭いました。
それからというもの、意地悪じいさんは二度と欲張ることはありませんでした。
おしまい。
「おむすびころりん」へのコンプライアンス的ツッコミ
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おむすびの投棄問題と環境配慮義務 おじいさんがおむすびを不注意で穴に落としてしまう行為は、現代のコンプライアンス感覚からすると問題です。食べ物を不用意に捨てることは、食品ロスの問題や環境汚染につながる可能性があります。特に自然の中に落ちた場合、野生動物の食料となり生態系に影響を与える可能性も否定できません。おじいさんは、適切な廃棄方法や持ち運び方を遵守すべきでした。
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無許可での他者敷地(穴)への侵入 おじいさんがおむすびを追いかけて穴の中へ入っていく行為は、たとえねずみに招かれたとしても、現代の基準では不法侵入とみなされかねません。穴の所有者がねずみであるとしても、その許可を得るプロセスが不透明です。安全確認もせずに入るのは、危機管理の観点からも問題です。
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ねずみたちの贈収賄および利益供与の疑い ねずみたちが、おむすびをくれたお礼としておじいさんに「大判と小判」を差し出す行為は、贈収賄や不適切な利益供与と解釈される可能性があります。おむすびという対価に対して、あまりにも高額な見返りであり、公正な取引とは言えません。ねずみたちは、組織として適切なガバナンスが機能しているか疑問です。
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隣の意地悪じいさんの情報漏洩と不正競争 おじいさんがねずみから宝物をもらったという話が隣の意地悪じいさんに伝わった経緯は不明ですが、もしおじいさんが不用意に情報を漏洩したとすれば、情報管理体制に問題があったと言えます。また、意地悪じいさんがその情報を元に同じことを試みるのは、ねずみとの関係性において不公正な競争や利益誘導を狙った行為と見なせるでしょう。
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ねずみ親方による不適切な罰則(ヘビの登場) 意地悪じいさんが欲張ったことに対するねずみ親方の罰則としてヘビを出す行為は、暴力的な脅迫やハラスメントにあたる可能性があります。組織として、個人的な判断でこのような制裁を行うことは許されません。適正な手続きを踏んだ警告や、暴力によらない指導が必要です。
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倫理観の欠如と模倣犯の誘発 この物語全体が、善行に対する過剰な報酬と、悪行に対する過度な罰則を描いており、現代の倫理観からすると、因果応報の描写が極端です。また、意地悪じいさんのように他人の成功を模倣しようとする行動は、安易な成功を求める風潮を助長する可能性もあり、社会的な倫理観の醸成という点でも配慮が必要です。