うさぎとかめ」がコンプライアンス違反!?現代社会で読み解く童話の裏側

うさぎとかめ

むかしむかし、足の速さに自信のあるうさぎと、のろまなかめがいました。

ある日のこと、うさぎはかめに向かってこう言いました。

「おい、かめ。いつもノロノロしてて、見てるだけでイライラするぜ。お前なんかと競争したら、俺の圧勝に決まってる!」

かめはニコニコしながら答えました。

「ほう、それはおもしろい。では、かけっこ勝負でもしましょうか。山のてっぺんまで、先に着いた方が勝ちということで。」

うさぎはかめの挑戦に大笑いしました。

「なんだと?お前ごときが俺に勝てるわけないだろ!よし、受けて立つ!」

こうして、うさぎとかめのかけっこが始まりました。

ぴょんぴょんと軽快に跳ねるうさぎは、あっという間に遠くまで進みました。かめは、のろのろと一歩一歩、ひたすら歩き続けます。

しばらく走ったうさぎは、後ろを振り返りました。かめは、はるか遠く、まるで点のようにしか見えません。

「こんなに差がついちゃったのか。これじゃあ、かめが着くまでに時間がかかりすぎるな。ちょっと昼寝でもするか。」

うさぎはそう言って、道の脇にあった大きな木の根元に横になり、うとうとと眠ってしまいました。

一方、かめは一度も休まず、ただひたすらに歩き続けました。のろのろと、しかし着実に、一歩また一歩と進んでいきます。

やがて、うさぎが気持ちよく寝ているそのそばを、かめは黙って通り過ぎていきました。

しばらくして、うさぎは目を覚ましました。

「ん?あれ?ずいぶん寝ちゃったな。まあ、かめはまだ来ないだろう。」

そう思いながら前を見ると、なんと、かめがもう山のてっぺんに着こうとしているではありませんか!

うさぎは慌てて飛び起き、全速力で追いかけましたが、時すでに遅し。かめは一歩、また一歩とゴールに近づき、ついに山のてっぺんに到着しました。

ゴールしたかめは、にこやかにうさぎを迎えました。

「おや、うさぎさん。お目覚めですか。私は一足お先に失礼しました。」

うさぎは悔しくて顔を真っ赤にしていました。

この話は、足が速いからといって油断してはいけないこと、そしてたとえ遅くても、努力を続ければ目標を達成できることを教えてくれています。

え、あの「うさぎとかめ」がコンプライアンス違反!?現代社会で読み解く童話の裏側

誰もが知っている童話「うさぎとかめ」。

努力することの大切さや、油断大敵という教訓を教えてくれる名作ですが、もしこのお話を現代のコンプライアンス(法令遵守)の視点から見てみたらどうなるでしょうか?

童心に帰って読んでいたあなたも、ちょっとギョッとするかもしれませんよ。


1. うさぎの言動は完全にアウト!パワハラ・いじめ認定されるレベル?

物語の冒頭、うさぎがカメに対して放ったこのセリフ、覚えていますか?

「おい、かめ。いつもノロノロしてて、見てるだけでイライラするぜ。お前なんかと競争したら、俺の圧勝に決まってる!」

これ、もし会社や学校で言われたらどう思いますか?

  • 相手の人格や能力を否定する言葉
  • 優位な立場(足が速い)を利用した、相手への侮辱
  • 精神的な苦痛を与える言動

はい、残念ながらこれらは現代社会においてパワーハラスメント(パワハラ)やいじめに該当する可能性が極めて高いです。

企業であれば、ハラスメント防止規定に明確に違反。もしこんな発言が発覚すれば、うさぎさんは間違いなく懲戒処分の対象になるでしょう。


2. これって公正な競争なの?

うさぎが一方的に「かけっこしようぜ!」とかめに持ちかけ、かめが「ニコニコ」受け入れたとはいえ、果たして本当に「公正な競争」だったと言えるでしょうか?

そもそも、足の速さという点で圧倒的な差がある二者間での競争です。かめが断りにくい状況だった可能性も否定できません。

ビジネスの世界であれば、市場を独占する側が一方的に不利な条件を押し付けるような行為は、独占禁止法などで規制される可能性があります。童話の中でのこととはいえ、この「かけっこ」はフェアな勝負とは言い難い側面があるのです。


3. ルールが曖昧すぎ!?トラブルの元に

「山のてっぺんまで、先に着いた方が勝ち」

これだけ聞けばシンプルですが、うさぎが昼寝をしてしまったように、途中の休憩や睡眠に関するルールが全く定められていません。

もしこれが現代のスポーツ大会なら、事前に詳細な競技規定が設けられ、休憩の取り方、コース外に出た場合の扱い、ドーピングチェックに至るまで、細かく決められています。

あいまいなルールは、後々のトラブルや不公平感を生む原因になりますよね。


まとめ:童話から学ぶ、現代社会の教訓

「うさぎとかめ」は、単に「努力が報われる」「油断は禁物」という教訓だけでなく、現代のコンプライアンスの視点で見ると、「他者への敬意の欠如」や「公正な関係性の重要性」といった、より深いメッセージも読み取れることがわかります。

童話は時代を超えて語り継がれますが、その解釈は社会の変化とともに進化していくのかもしれませんね。

私たちは、うさぎの失敗から、他者への配慮やリスペクトを忘れてはいけないという大切な教訓を改めて学ぶことができるでしょう。